魚屋歴25年のベテランリッキーです。
今回は魚屋の闇シリーズとして最近出回っている外国産の馴染みのない魚について問題提起したいと思います。
パンガシウスという魚をご存知でしょうか?
謎の白身魚。
一時期大手商社と大手スーパーでゴリ押しで売っていた魚です。
このパンガシウスという魚がナマズの仲間だと知っていたらどれだけの人どれだけの人が買うでしょう?
ほとんどの人がタラに近いものくらいの認識で買われているのではないでしょうか?
パンガシウスはナマズの仲間
土用の丑の日に高い国産うなぎ蒲焼きの代わりに安い蒲焼きといって売っていた魚です。
白身魚フライや白身魚のムニエルなどでもオススメされていました。
おそらく商社と繋がっていてなんらかの思惑が働いていたんだと思います。
一見するとタラの仲間のようにも思います。
昔は「バサ」とも呼ばれていました。
馴染みない名前なのでどんな魚かも想像つきません。
このパンガシウス実はキャットフィッシュ、ナマズの仲間なんですね。
ところが大手スーパーはナマズという表記は極限まで小さくして売っていました。
本当に目立たない感じでした。
いやいやこういう売り方でいいんでしょうか!ということです。
パンガシウスがナマズということを隠す?
何が問題なのかというと、パンガシウスのマイナス面をあえて隠して売っているように見える点です。
誤解してほしくないですがナマズ自体が悪いわけではありません。
ナマズを食べること自体は否定しないのです。
今回の場合でいうとパンガシウスはナマズということを正々堂々と表示すればいいのではないかということです。
実際は残念ながら表示はあるものの決して見やすいとはいえないように思います。
特に大手のスーパーであればもっときっちり説明すべきです。
もちろん商品名は書いてあると思います。
パンガシウス(〇〇産)
確かに書いてあるけど???
なんのこっちゃて感じですね。
ナマズである旨は表現されているのでしょうか。
実際の売場ではナマズということはちゃんと説明されないまま、ややもすると「白身魚」として売られたりしているのです。
もちろんこれが地方の場末のバッタ売りであれば、ざっくり適当でもしょうがないでしょう。
そんな売り方の店なんだで済む話だと思います。
しかし全国で展開している大手スーパーが不明瞭な売り方をしているのが問題です。
もっとわかりやすいように判断できるようにすべきと思うのです。
少なくとも「これはナマズですがよかったらどうぞ!」という感じで表記した方がユーザーには親切といえるのではないでしょうか。
実際売場ではちょっとあやしけな闇の雰囲気が漂っているように思います。
パンガシウスの味が悪くないのはわかる
実際食べてみればパンガシウスの味自体は悪くないと思います。
タレ漬けにされたり、フライ用に衣がついていたりするので多少の味は誤魔化せます。
大手スーパーが土用の丑の日に力入れていた「パンガシウスの蒲焼き」もそれなりな味だったと思います。
クセがない白身魚という感じです。
しかし今回の問題の所在は味ではないのです。
ナマズの味だダメだと言っているわけではないのです。
その点は念を押させてください。
パンガシウスがナマズという表記は目立たない
売り方、表記の仕方が問題なのです。
ナマズという表記が目立たないかできるだけ隠したいという雰囲気で販売されているのです。
もちろん誤解のないように言っておきますが、今回の問題ついては法律違反は一切ありません。
違法適法の話ではないのです。
むしろ当妥当の問題です。
一括表示にも必要な情報はちゃんと入っています。
ただ、ナマズという商品にとってマイナスな表記が目立たないことが問題なのです。
新しいチャレンジを否定するものではない
これは新しいチャレンジを否定するものではありません。
全世界をみれば、今食べてないまたは食べ慣れない魚でもおいしい魚もまだまだあると思います。
それを食用化することについて問題にすることはありません。
先ほどの未利用魚への取り組みも新しい技術や英知叡智を結集すれば解決できることのあると思います。
それはそれで有意義なことだと認識はしているのです。
チャレンジすることは非常に大事なことですから。
ただ未利用魚や馴染みのない魚のことももう少ししっかり把握してチャレンジすべきです。
合わせて、ナマズを食べること自体を否定するものではない点もあらためてここで念をおさせていただきます。
ナマズを食べたいという人を否定するものでもないのです。
パンガシウス問題の本質
今回の問題の本質はマイナス面、不利な点、都合の悪い部分をあえて表示しない販売手法にあります。
全面的にアピールする必要もないですが、ユーザーファーストの視点に立ってナマズという表記をもっと大きくしてもっとナマズということを伝えるべきではないかと思います。
ナマズならいらないよという人も少なからずいるはずです。
現状の売り方ではパンガシウスがナマズであることがわかりにくいです。
要はナマズなら買わないという人に買わない選択肢を与えてほしいのです。
今のままだと何かタラみたいなもの程度にしか見えません。
しかも白身魚という非常にアバウトな表現をしてる商品すらあります。
その意味で一般消費者に明確に伝えて欲しいのです。
でないと、ナマズとわからずに食べている人に非常に残酷な話だと思います。
パンガシウスはナマズの仲間ですけれどよかったらお買い求めください、というくらいの説明をすべきではないでしょうか。
それがしいては信頼につながるものだと思います。
今のままでは「闇の深さ」しか感じません。
商売人のいやらしい思惑が見え隠れ
実際大手スーパーや大手商社ではこのパンガシウスで大きな商売がなされているんだと思います。
ただユーザーファーストの観点からいっても現在のパンガシウスの販売手法は非常に不明瞭です。
大手商社などの思惑もあったんだと思いますが最初から「ナマズだけれど安いしそこそこおいしいのでオススメですよ」とキチンと表現しておけばよかったともいます。
ナマズというところを前面に出してお客さんが納得して買うならそれは商品の力にもなっていたでしょう。
それをできるだけナマズ感を消そう消そうとしているところに商売人のいやらしさを感じざるを得ないのです。
大手スーパーと商社の不誠実な商売っ気しか感じないのです。
それで闇の深さしか感じないとなるのです。
最後に
消費者が誤解を生じないような表記してますか
この言葉に全て集約されると思います。
パンガシウスはナマズの仲間という属性から逃れることはできません。
イヤイヤそれでも食べたいよというのであればそれでいいと思います。
わかって食べるわけですから
確かにナマズでもおいしく食べる料理方法もあります。
問題はナマズという表記が明確でなく誤解を招いている点です。
ただ最近売りが鈍ってきているのもお客さんの方がわかってきた感もあると思います。
もしかしたら認知度が上がれば解決することもあるかもしれません。
ただ企業の思惑やメンツは損得に直結するので必ずしも顧客ファーストにならないことがあります。
だからこそしっかりチェックしていかないといけません。
こういう場で問題提起していかなければならないのです。
さかなのさではこれからも魚に関わる社会問題について鋭く切り込んでいきたいと思います。
追記:この記事はナマズの食用を否定するものではありません。販売手法を問題視する内容となっています。
追記:時代の変化に合わせて記事内容を一部変更させていただきました。
<終わり>


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