
冬の魚の代名詞とも言えるたらは非常に利用価値の高い魚です。
鍋材料として有名ですが、煮付けにしても、粕や味噌につけて焼いても、フライや天ぷらにあげてもおいしい魚です。
また、刺身というより昆布〆するとより美味しさが味わえるということで少し特別な価値も持っています。
さらにそのたらからとれる白子や卵(真子)も利用価値が高いです。
それだけたらというのは日本人の料理に欠かせない存在となっています。
目次
たらは主に2種類
国内に流通するたらは主に2種類です。
真鱈(マダラ)と助惣鱈(スケソウダラ)です。
地域によって使われるタラが違うようです。
今回は煮物だけでなく生食もできる真鱈(マダラ)を中心に紹介したいと思います。
真鱈(マダラ)の方が利用範囲広いです。
昆布〆や白子を酢の物にできるからです。
スケソウダラでは虫が多いので生食には向きません。
何も知らずに食べている人も多いでしょうが、アニサキスとは違いますし加熱すれば問題はありませんのでご心配なく。
それを食べる地方の人に言わせるとその虫も美味しさのうちという言い方をしたりします。
ちょっとビビりますね。やっぱり知らぬが仏です。
ただ、スケソウダラは水産資源としては全世界レベルに重要な魚の位置づけとなっています。
みなさんが知っているところでは多くのかまぼこなどがこのスケソウダラのすり身が使われています。
いろんな料理があります詳しく見ていきましょう!
真鱈(マダラ)の基本情報
分類 | タラ目タラ科マダラ属マダラ |
名称 | 真鱈(マダラ) |
別名・地方名 | たら |
英語名 | Pacific cod,Gray cod |
学名 | Gadus macrocephales(Tiesius,1810) |
分布 | 冷水域に生息 |
主な漁法 | 巻網漁、定置網漁、延縄漁など。 |
備考 | ・日本国内は真鱈(マダラ)とスケソウダラの2種類 ・白子は生食になる。 ・卵を真子(まこ)と呼ぶ地方がある。 |
真鱈(マダラ)はどんな魚?

真鱈(マダラ)はずんぐりムックリした姿をしています。
深海に住む魚でたまに胃袋が口から飛び出たものが店頭に並んでいたりします。
真鱈(マダラ)おいしい食べ方は?

なんといっても煮付け、鍋が一般的だと思います。
天ぷら、フライ、唐揚げ、ソテー、ムニエル、漬魚焼きなどどんな料理にもできます。
真鱈は実は夏でも流通しています。安いのでフライ、ムニエルといった料理でオススメしています。

たら好きのリッキーは年中この真鱈(マダラ)を対面で売っています。夏場でもズッ〜と売っていまよ!店が置かないだけです。
なんといってもたらといえば昆布です。昆布を入れるとグッと美味しさが増しますよ!
真鱈(マダラ)と昆布の相性
たらは非常に昆布と相性が良い魚です。
どんな料理をするときにこの昆布を一欠片入れましょう!
真鱈(マダラ)刺身で食べるより?!

たらは刺身で食べても味もそっけもないので決しておいしいとはいえません。
ただ、どうしても生で食べたい時はこのような食べ方をすると刺身以上に美味しくなるのでおすすめです。
- 甘塩スキミダラ
- たら昆布〆
- たら子付け
甘塩スキミダラ
塩だらの塩を抜いて薄く千切って生姜醤油で食べるというものです。
金沢の夏の味覚として昔からよく食べられています。
冷凍解凍してあるので寄生虫の心配もありません。
塩をしているので身がプリプリして氷水でギュッと〆てから食べると暑い夏を乗り越えられるような元気ができてます。
たら昆布〆

これもたらの身を一口大に切って昆布で締めると本当に美味しいものになります。
これも寄生虫対策で冷凍をかけるのをオススメします。味はそれほど変わらないです。
たらこ付け

塩や昆布で締めたたらの身に真子で作った粉をまぶして食べる北陸の伝統料理です。
実はこのたらの子付け用の粉の作り方が少し変わっていますがWEB上に載ってません。
色々調べましたがなかなか作る人も少なくなったので紹介されてないんですね。
地元の一部の人しか作れないと思います。
残念ですがこの作り方は今のところマル秘ということになります。
真鱈(マダラ)の料理
真鱈の美味しい料理はたくさんありますが一般的なものはレシピが充実しているので他のサイトをご覧ください。
ここでは魚屋料理的なものだけ紹介します。
棒鱈煮
おせち料理でも使われる棒だらは一回たらを乾燥させて旨味を凝縮したものです。
甘露煮にするので日持ちします。
やっぱり美味しいものです。
ただ手間暇かかっているのでお値段もかなりのものになっています。
たまに安い棒鱈煮が売られていることがあります。
安い棒鱈煮は何が違うのでしょう?
安い棒鱈煮は原料にスケソウダラを使っているので安いです。
真鱈の棒鱈煮に比べると値段が随分異なります。
あと味付け真鱈と言って棒鱈煮のなんちゃって商品も安く売られています。
これは乾燥した棒鱈を使わず、普通のたらフィレを煮付けたものなので安くなっています。
よく見ると表示は「棒鱈」でなく「味付け真鱈煮」となっています。
チャンジャ
たらの胃袋を唐辛子などの香辛料で漬け込んだものをチャンジャという。
コリコリとして美味しい韓国料理。
真鱈(マダラ)の白子はどうやってたべる?

真鱈といえば身だけでなくオスの卵巣すなわち白子が人気です!
鍋で食べるのはもちろんのこと新鮮なものは酢の物などで生食できます。
これがまたおいしいです。北陸の冬の味覚の一つになり居酒屋割烹などの人気メニューの一つになります。
できれば真鱈(マダラ)1尾買ってきてそのお腹から出たものを酢の物にすると一番割安でおいしいと思います。
地物スーパーなどでは小分けして白子だけで売っていたりします。
白子だけで流通したりしていますがこのような商品はあまり鮮度が良いといえませんのでやっぱり地元のスーパーで地物のたらの白子の酢の物用というのを購入された方がいいです。
真鱈(マダラ)の卵(真子)はどうやってたべる?

真鱈のメスの腹から出た卵、真子という言い方もしますがこれもおいしい料理たくさんあります。
たら真子煮が一般的です。
卵を崩さずに煮つける方法もありますがこれは別の記事で紹介します。
このたらの卵(真子)はしらたきと炒って食べてもおいしいです。
新潟の実家ではよく食べさせたれました。
真鱈(マダラ)どうやって買う?

できるだけ地元のスーパーや魚屋さんで買いましょう。
大手スーパーはあまり地元で上がったたらとかには力を入れません。
鮮度見分け方は比較的簡単です。
エラの色が真っ赤のものは鮮度いいので昆布〆になります。
能登の一部のところではこのエラで塩辛を作るとのことです。
さすがにすごいと思いました!
リッキーは見たことも食べたこともありませんが興味ある料理ではあります。
エラがドス黒いのは鮮度良くないですが煮付けなら特に問題ないでしょう。
肝が溶けているものは鮮度良くないので昆布〆にはなりません。
といっても産地以外のところでは煮付け用にしかならないでしょう。
真鱈(マダラ)どうやって売る?

可能であれば対面で1尾売りをしてほしいです。
売上増大、顧客の定着化に効果抜群です。
頭から半分に割ると売りやすくなります。
それができなところは切身で販売することになると思います。
フィレ商材も流通していますが効率を考えるならそれもいいですが、鮮度があまりよくないものが混じるのでできたら丸物からやったほうがまだキレイだと思います。
ここはそれぞれの流通事情でかなり違いますが。概してフィレは値段も高く鮮度も良くないということなので悩みどころです。
たらは魚屋の扱う魚で一番工程が多く必要な魚。
たらはとにかく捌くのに手間がかかる魚で技術レベルが落ちる魚屋、鮮魚部門であれば無理しないことです。
逆に大手に差をつけられるところでもあるので技術レベルが高いところでは積極対応が効果的です。
実はたらは春先や夏場が一番儲かる?!

あまり紹介したくないですが実はたらは春先や夏場に売ると非常に儲かります。
というのも、あったかくなるとたらは需要がめっきり減ります。
たら=鍋というイメージをみなさん持っているんでしょうね。
誰も見向きもしなくなるわけです。
相場もメチャクチャ下がります。
ただ、たらはフライやムニエルにしても美味しい魚です。
なのでリッキーは春先に需要が減って相場が下がったたらをセッセと売るのです。
言葉は悪いですが正直ボロ儲けです。本当は誰にも教えたくないですが。さかなのさをご覧いただいている人にだけこっそり教えちゃいますね。
その時の売り方は三枚おろし皮むきです。
ちょっと手間はかかりますが小さめのたらなら普通にサッとおろせるので楽です。
皮を剥くと上の写真のように非常に美味しいそうな身が出てきます。
あえて安くしなくても普通に売れば売れていきます。
基本は手間をかけずフィレにしますが、切身にしてもいいでしょう。
だって誰もいらないっていうものをちゃんと商品化するわけですから儲かりますよね。
その前提としてはたらというものは鍋だけでなくどんな料理にしても美味しいものということがわかってないと気づかないのです。
真鱈(マダラ)の捌き方

たらの骨は腹骨が硬く菱形のような形になりますので普通の三枚おろしとは違ったおろし方をします。
特に大きなたらではこのおろし方をマスターしないと歩留りが悪くなります。
内容が長くなりますのでここは別記事にします。そちらをご覧ください。
最後に
リッキーは金沢で商売をしていますが年明けの能登のたらが一番魚の中でも美味しいと思います。
それも白子の入ったオスだらを1尾で買うのが一番賢い買い方だと思っています。
なぜなら酢の物になる白子だけで買うとたら1尾以上の値段になるからです。
肩身は昆布〆めにして、もう肩身は昆布と一緒に煮付けにする。
アラは肝と一緒にお汁すれば最高な料理が四人前以上できるからです。
それだけお買い得さが違います。
ただ、そんな大人数で食べることはないのでなかなか実現できないでいます。
参考サイト ぼうずコンニャク市場魚貝類図鑑
<終わり>
一般的にたらといえば真鱈(マダラ)をいうのでしょうが、富山、新潟ではスケソウダラの方が多いようです。